美術

横浜赤レンガ倉庫

あけましておめでとうございます、と言うにはあまりに遅すぎますが、あけましておめでとうございます。旧年中は、拙ブログを訪れてくださいまして本当にありがとうございました。 さて、昨年も一昨年と同様、ほとんどまったくリベットを見に行くことができま…

再構成の美など 「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション」展

過日、山種美術館で「ザ・ベスト・オブ・山種コレクション」展(後期)(2月5日終了)を見た。 奥村土牛《城》等に、(見たもの、認識したものそのままじゃ駄目なんだよなあ。再構成して描かないと)と思う。 《城》は、見上げたときの圧倒される感じが体感で…

ヴィジェ・ルブラン展と高い柱2

前回の続き。展覧会を見終わった後、併設の「Cafe(eの上に´あり) 1894」に行った。ここは前に来たときも入りたかったのが、混んでいたので断念した場所だ。「あのブドウは酸っぱい」みたいに、別にどうってことないよね、と思っていたけれど、入ってみて、…

ヴィジェ・ルブラン展と高い柱1

東日本大震災での具体的な被害は、家具の留め具類が功を奏したこともあって、物が落ちたり食器がいくつか割れたりしたくらいだ。けれども、地震自体がこれまでに体験したことのない怖いもので、震災があってから、小説等の本を読むのも、日記を書くのもとて…

思いがけない気分 ワシントンD.C.2

具体的なことは忘れたが、以前従事していた仕事で、要求の根拠を示すのに米国の類似事例を引き合いに出したことが一度ならずあった。また、逆に、要求が通るかどうかの査定で、海外特に米国ではどうなの、と訊かれたこともあった気がする。いずれの場合も(…

炎に吸い寄せられて  山種美術館

友人に誘われて、広尾の山種美術館で開催中の「開館1周年記念特別展 日本画と洋画のはざまで」を見てきた。こちらはなんせ、展色材が膠(日本画)か油・天然ゴム(洋画)か、その混合物かさえよくわからない素人。 明暗法・遠近法等の西洋の技法を採り入れた…

美術館工事の裏側

一か月ほど空いてしまったけれど、特に何もないです(笑)。過日、映画『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』(ウケ・ホーヘンダイク監督)を見た。 改築のため5年以上休館中の同美術館(国立だが1995年から財団運営)工事の裏側を描いたドキュメンタリ…

ずっと見ていたい 「マコトフジムラVS若手作家 日本画最新事情」展

過日、信濃町の佐藤美術館に「マコトフジムラVS若手作家 日本画最新事情」展を見に行った。マコト・フジムラ(1960年〜)については、以前、同美術館で開催されたサラリーマン山本冬彦氏のコレクション展(そのときのことはhttp://d.hatena.ne.jp/rvt-aa/201…

《蛇使いの女》オルセー美術館展2

国立新美術館のオルセー美術館展2010「ポスト印象派」の続き。 この展覧会にはエドガー・ドガ《階段を上がる踊り子》、水色や緑や白が混じり合ったスカーフや白いドレスに日が当たっているところが美しいクロード・モネ《日傘の女性》など印象派の名作もたく…

《星降る夜》 オルセー美術館展1

過日行ってきたオルセー美術館展では、フィンセント・ファン・ゴッホの《星降る夜》が圧倒的に良かった。北斗七星が出ている夜のローヌ河畔の風景で、新聞や雑誌で見ていたときにはそうも思わなかったけれど、本物は、絵の具の盛り上がりが立体感を与えてい…

ボストン美術館展

過日、友人が声をかけてくれたので、六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーに「ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち」を見に行った。六本木ヒルズに行くの自体が相当に久しぶりで、歩いている人々の服装や年齢層が家の近所と違うのが新鮮だった。 「昔…

画風の変遷  レンピッカ展

だいぶ前に、「美しき挑発 本能に生きた伝説の画家 レンピッカ展」を渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムに見に行った。 タマラ・ド・レンピッカ(1898−1980年)の名前を初めて知ったのは高橋幸宏が好きなアーティストとして挙げていたときで、ああ、アール・デ…

ボルゲーゼ美術館展

過日、上野の東京都美術館に「ボルゲーゼ美術館展」を見に行った。 ボルゲーゼ美術館は、シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿がローマ市北東部に建てた別宅だそうだ。この人の名前も知らなかったのだが、16世紀末から17世紀を生きたローマ・カトリック教会の最高位…

メディアは何をしようと?

過日、NHK教育の「知る楽 探究 この世界 『怖い絵』で人間を読む」で、ドラクロワの「怒れるメディア」という絵を取り上げていた。 女性(メディア)が、左手にナイフを持った状態の両手で二人の幼子(男の子と女の子)をしっかりと抱き抱え、画面の向こうの…

私は色付きが好き 長谷川等伯展

上野の東京国立博物館に、「没後400年 特別展 長谷川等伯」を見に行った。長谷川等伯(1539〜1610年)は信春の名で能登七尾生まれの絵仏師として活躍後、33歳頃に妻子とともに京都に行き、豊臣秀吉らに重用されて51歳頃から大徳寺三門の天井画を初め寺院用等…

21日まで 山本冬彦コレクション展

最近はどうしても必要があるか誰かが声をかけてくれるのでないと外に出かけられないことが多いのだが、その中でも珍しく(?)夫が自分から誘ってくれた美術展があった。佐藤美術館で開催されている「〜サラリーマンコレクター30年の軌跡〜 山本冬彦コレクシ…

繊細&ゴージャス! 愛のヴィクトリアン・ジュエリー展

友人が誘ってくれたので、Bunkamura ザ・ミュージアムに「愛のヴィクトリアン・ジュエリー展 華麗なる英国のライフスタイル」を見に行った。19世紀のヴィクトリア女王の時代を中心に、 ・ダイヤモンド、ルビー・エメラル・ガーネット・アメジスト・シトリン…

夜おすすめです、「No man's land」展

庁舎の移転のため、近々取り壊される予定の在日フランス大使館旧庁舎(南麻布)に、過日、「No man's land」展を見に行った。天気が良くない日だったのでより早く日が落ち、着いたときにはもう真っ暗。けれども、光を使った作品を見るため、この暗さが狙いで…

S字曲線

過日、上野の東京国立博物館(平成館)に「皇室の名宝展--日本美の華(1期)」展を見に行った。 1期は本日3日までで、4日〜11日は展示替え、12日からは正倉院の宝物や書・絵巻の名品中心の展示になる模様。伊藤若冲(1716〜1800年)の絵が本当に良かったのだ…

眼鏡の向こう  

過日、といってもだいぶ前に北品川の原美術館に「原美術館コレクション展」を見に行った。 原美術館自体たいへんにひさしぶりで、建物にツタが絡まっていないなあ、というのと、建物の外壁のタイルはこんなに緑っぽい色だったっけ、というのが第一印象。 米…

そこでこそ、というもの  大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009 2

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009」の続き。 里山や廃校、空家がアートの一部あるいは背景であるだけに、 ・これまでの時間の流れや生きてきた人たちの息遣いみたいなものを感じられる、 ・そこにあるものが生かされていると感じられる、 ・…

行ってみないとわからない! 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009 3

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009 2」の続き。 とにかく目だけでなく、耳、鼻、足の裏など五感(味覚はつるんとしたのど越しが素晴らしい布海苔入りのそばや、米、ツアーのお昼ご飯などでだが)で感じる作品が多いので、現地に行くことをお…

汗と緑とアート 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009 1

過日、新潟県の越後妻有地域(十日町市&津南町)に、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009」を見に行った。 川西・十日町・松代・松之山・中里・津南の各エリアを合わせて東京都23区よりも広い里山約760キロ平方メートルの中に約370点のアート…

トンボ・ツバメ・スズメなど   ルネ・ラリック展  

過日、友人と「生誕150年 ルネ・ラリック 華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ」展を国立新美術館に見に行った。予想通り観客の女性比率がものすごく高く、また、特にアール・ヌーヴォーのジュエリー作品の展示は観客がケースの前にへばりついてなかなか列…

ルーヴル美術館展(国立西洋美術館)

もう先月になってしまったが、「ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画」を、上野の国立西洋美術館に見に行った。 「黄金の世紀とその陰」、「大航海と科学革命の世紀」、「聖人の世紀における古代文明の遺産」といったキーワードで大きく展示を分けている…

マーク・ロスコ展

千葉県佐倉市の川村記念美術館に、「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」展を見に行った。 佐倉はこんなに山っぽかったかと思うような所で、美術館に入る前にまず広大な庭園に驚いた。三日月形の白鳥池を葉桜や木々の緑が囲み、コブハクチョウ、フランスガチョウ…

ライト・[イン]・サイト展 食事中の方はご注意ください

終わった展覧会だが、今年の2月28日までICC(NTTインターコミュニケーション・センター)で開催された「ライト・[イン]サイト――拡張する光、変容する知覚 展(Light Insight)」は面白かった。 ICCは東京オペラシティタワーの4階にある。というのを蜷川実花…

加山又造展

過日、「加山又造展」を国立新美術館に見に行った。数年前にも一度回顧展を見ていたので、実はいまいち気乗りしなかったのだが、行って良かった。 初期のルソー、ピカソらの影響が色濃い動物の絵、琳派を自分のうちに取り込んで自在に発展させている屏風絵、…

セザンヌ主義展(明日25日まで)とドックヤードガーデン

「セザンヌ主義 父と呼ばれる画家への礼賛 ピカソ・ゴーギャン・マティス・モディリアーニ」展を横浜美術館に見に行った。セザンヌ(1839-1906年)作品は少ししかないのではと思っていたので、セザンヌの作品が思いのほか多く(全体約140点のうち約40点)見…

蜷川実花展

蜷川実花展―地上の花、天上の色―を、東京オペラシティアートギャラリーに見に行った。花、金魚、旅、人などテーマごとに部屋が仕切られた状態で、独特のカラフルな色遣いの写真が展示されていた。 「B 花」では、大きく引き伸ばされて粒子がざらついている写…