クラパムジャンクション駅(Clapham Junction station)

f:id:rvt-aa:20210201004220j:plain

 


皆さま、 ご無沙汰していますがお元気でいらっしゃいますか?
大変長らくブログを放置して申し訳ありません。
なんと2018年の秋以来書いていなかったのです。我がことながら楳図かずお先生描く漫画風な恐怖の表情が脳内に浮かびました。

その後何をやっていたかと言うと……圧倒されていました。
何に? すべてにです!

「なんだこの書かない言いわけ」、「全然意味わからない」と思った方、おっしゃるとおりです。ごめんなさい。

 

実は、しばらく前に家庭の事情で海外に引っ越しました。
放っておくと死にがちな脳細胞をいかになだめすかして働かせるか、あわよくばちょっぴり成長させるかを考える年齢になってからの、まさかの初めての海外生活です。


人も、言葉も、建造物も(←これについては『うひょー!💗』)生活もすべて違う。
もちろん、テレビやベッドがあるとか、朝食・昼食・夕食を食べるとか、テレビで放映されているヨーロッパ製3Dアニメ『HEIDI』のキャラクターデザインのベースが懐かしの『カルピス名作劇場 アルプスの少女ハイジ』だとか、そういった点は共通したりなじみがあったりしてますけどね。

 

ちなみに場所はイギリスのロンドンです(一番上の写真は、タワーブリッジの上部《開いているときは歩けます&展示あり》から見たテムズ川の風景です)。
素敵✨と思うことがたくさんあっても、自分が使ってきた言葉以外の言葉つまり英語で生活をしなければならない、というのは予想以上にお腹がすきますし消耗しました。

おまけに今はコロナ(こちらではコヴィド・ナインティーン《COVID-19》といいます)関係でロンドンは三度目のロックダウン中です。

 

最近イギリスはコロナ関連死者数が十万人を超え、毎日千数百人くらいの人が亡くなっています(前振りが長くてすみません。このあとリベットの話、出ますので)。

ロンドンはロックダウンで食料・薬など生活必需品を売る店以外の店はほぼ閉まり、レストランやカフェなどの飲食店は持ち帰り販売(こちらではテイクアウトでなくテイクアウェイ《take away》といいます。ぎこちない英語教材みたいになっててすみません)とデリバリーのみ。

「あー、店の中で座ってコーヒー飲みてぇ!」と何度胸のうちであるいは家でつぶやいたことでしょう。

 

そんな中、小鳥の声や公園のリス、薄青い空と金色がかった雲のコラボレーションなどと共に私の心を最も慰めてくれるものの一つが建造物です。
古い歴史的建造物が日本より遥かに多く残っています。

もちろんリベットもたくさん!
鉄でできた橋はもちろん、地下鉄の駅だけでも改札口付近の天井、ホームに向かうまでの通路の内外、ホームの柱や梁と、うっとりの連続です。
さすが産業革命発祥の地。

おいおい書いていきますが、例えば茹でた蟹の脚がたくさん並んでいるのに似ているなど自分の思いもしなかったものを含めてさまざまな形や色の「リベットとその付属物」がロンドンにはあります。それらを見ているときは(世界はやはり自分の想像を軽く超えてるんだなあ)などと大興奮です!
また、リベット以外にも、例えば駅等で見られる美しい色や模様のタイルにも心を惹かれるようになりました。
でも家のことなどをやるともうそれらを文章に書く気力・体力が残っていませんでした。
あと10年、いや5年若かったらと思うこともしばしばです。が、若返りもタイムリープもできないので(笑)、また地道に書いていこうと思います。

 

さて、いったいどのリベットから書いたらいいのか。迷いますね。
まずは旅立ちということで長距離旅行にもよく使われ、また存在するリベットとその付属物にもこれは想像できなかったなあと思ったものがあった、ロンドン南西部のクラパムジャンクション駅(Clapham Junction station)から始めたいと思います。

ちなみにロンドンでは地名などのHは読まないことがあります。Clapham はクラパム、Fulham はフラム、shepherd's pieはシェパーズパイ(羊肉とマッシュポテトのパイです)です。

f:id:rvt-aa:20210131231502j:plain



☆以下、ロックダウンなど旅行制限のないときの話です。

 

写真があまりよく撮れていなくてすみません。
が、改札を抜けホームに向かうまでの通路の足元から窓の下ぐらいまでに、鉄か鋼鉄でできた半円形のものが連続していて、それがまるで海の青い波のようでした。縦にも横にもリベットがたくさん!! 胸が震えました。 

f:id:rvt-aa:20210131232047j:plain

f:id:rvt-aa:20210131232204j:plain

青がさわやかで白い壁や窓枠とも合っていて、見ながら通っていると心が躍り、反対側にあるマスク着用やソーシャル・ディスタンスィングの注意表示の連続も何のその、ひたすらわくわくしてくるのでした。南方面に向かう長距離列車もたくさん発着する駅なので 、旅心がくすぐられます。

写真を撮れませんでしたが、通路の反対側には花束の自動販売機もありました。初めて見たのでインパクト大。

f:id:rvt-aa:20210131232314j:plain

 

そして、これを外側から見るとまたまったく予想外の光景が。

「相似形」という言葉をこんな所で思い出すなんて!

f:id:rvt-aa:20210131232724j:plain

 

しかも反対側はまた別の顔。何の数字なんでしょう!? 分数なのかもわかりません。

f:id:rvt-aa:20210131232836j:plain


なお、この駅は小説家・劇作家・詩人のオスカー・ワイルド(Oscar Wilde)が当時禁じられ犯罪とされていた(!)同性愛が原因で1895年11月20日にワンズワース刑務所(Wandsworth Prison)からレディング刑務所(Reading Goal)に移送されそのときに同性愛嫌悪の虐待の犠牲になった駅でもあるらしく、こんなレインボープラーク(虹の記念飾り板[額]《Rainbow Plaque》)がありました。

f:id:rvt-aa:20210131232605j:plain


プラークとその下の解説によれば、オスカー・ワイルドはこの駅で集まってきた群衆から嘲笑されたりつばを吐かれたりの虐待を受け、その後一年間、毎日同じ時刻に同じ時間だけ泣いたそうです。すごいトラウマですね。忘れまいという意味もあったのか。

 

つらい歴史ですが、プラークがあるお蔭でそういうことが忘れられないあるいは後世の人々に思い出され得ます。また、「LGBTQ+の歴史にとって重要な時・人の確認や特定」だけでなく、「鉄道業界でどれほどヘイトクライムが容認されていないのかを思い出させる役割も果たしている(also acts as a reminder of how hate crime is not tolerated in the rail industry )(英文はプラーク下のNetwork Rail、Studio Voltaire、Wandsworth LGBTQ+Forumによる解説より引用)」というのが心に残りました。

 

階段の手摺りの親柱やホームの柱も素敵でした。

 

 

f:id:rvt-aa:20210131233845p:plain
f:id:rvt-aa:20210131234754j:plain