リベット以外の建造物

トマソン

赤瀬川原平氏が亡くなったとのこと。 開けても足を着ける場所がない高所扉など、美しく保存されている無用の長物「トマソン」を建物に見る楽しみを、『路上観察学入門』といった著書から教えていただいた。 命名の元になった野球選手のトマソンについては、…

関口宏の 風に吹かれて 「東京水路2(後編)”船から見た川と橋の風景” 」

皆さま、長らく本ブログを放置して申し訳ございません。 訪れてくださいまして、どうもありがとうございます。 今年初めてのブログを書きます(もう半分以上今年が終わってしまいましたが)。 本年もよろしくお願いいたします。 さて、表題の番組、「関口宏…

明治村5 その他の印象的な建造物1

こうやって一つずつ挙げていくと、これから1年くらいずっと明治村の記事だけで終わりそうだ。なので、記述を簡略化して、その他の印象的な建造物について書くことにする。 ・まずは内閣文庫(1911(明治44)年建設、国登録有形文化財、旧所在地 東京都千代田区…

明治村6 その他の印象的な建造物2 

・宇治山田郵便局舎(1909(明治42)年建設、重要文化財、旧所在地 三重県伊勢市岩渕町)。ぱっと見で郵便局と思えない造形。中央がやたら円くて平べったくて変な感じ。加えて柱や梁が表に出て間が漆喰等の壁で埋まっているというハーフティンバー様式。 帰…

明治村4 鴎外・漱石が住んだ家など 

明治村には、和風住宅や和洋折衷住宅もあった。写真上は、「森鴎外・夏目漱石住宅」(1887(明治20)年頃建設、国登録有形文化財)。東京都文京区千駄木にあり、1890(明治23)年から1年余り森鴎外が借りて住み『文づかひ』等の小説を執筆、その後、約10年経…

明治村1 帝国ホテル中央玄関 

過日、愛知県犬山市の博物館明治村に行ってきた。 ここは明治・大正期等に造られた歴史的建造物を移築・保存している一大テーマパークだ。歴史的建造物は活用されつつ保存されてこそ本来の意義があると思っているので、行く前は、建設されていた地域から切り…

ヴィジェ・ルブラン展と高い柱2

前回の続き。展覧会を見終わった後、併設の「Cafe(eの上に´あり) 1894」に行った。ここは前に来たときも入りたかったのが、混んでいたので断念した場所だ。「あのブドウは酸っぱい」みたいに、別にどうってことないよね、と思っていたけれど、入ってみて、…

ヴィジェ・ルブラン展と高い柱1

東日本大震災での具体的な被害は、家具の留め具類が功を奏したこともあって、物が落ちたり食器がいくつか割れたりしたくらいだ。けれども、地震自体がこれまでに体験したことのない怖いもので、震災があってから、小説等の本を読むのも、日記を書くのもとて…

猫気分の路地

過日、以前NHKの「ブラタモリ」で紹介されていた銀座の路地に行った。自分でも「松坂屋の近くだな」とおおよその位置は調べていたものの、行ってみるとさっぱりで、同行の友人がきっちり案内をしてくれて本当に助かった。心から感謝している。「豊岩稲荷神社…

もはやあれ「風呂敷」って感じじゃないです  「空と宇宙展」(明日6日まで)

上野の国立科学博物館で明日というかもう今日6日まで開催中の、「空と宇宙展――飛べ! 100年の夢」に行ってきた。 フラッシュを使用しなければ一部を除き撮影可なので、デジカメを持ってくれば良かった、とまず思った。「目玉」は、イトカワからサンプルを持…

初めての溝の口 久地円塔分水

日曜午前2時からBSフジで再放送している「天体戦士サンレッド」は、くぼたまこと原作の、神奈川県川崎市溝の口を舞台にしたゆるいアニメだ。正義の味方である主人公は血気盛んで単なる不良番長上がり風。敵対しているのか共存しているのかよくわからない悪の…

「摩天楼」を体感した日 NYC1

あけましておめでとうございます。 旧年中は拙ブログにお立ち寄り下さいまして、どうもありがとうございました。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 昨年、アメリカで最後に訪れたのはニューヨーク市。 私が見た範囲での話だが、ニューヨークではデザ…

地下鉄で NYC2

ニューヨーク市では、地下鉄のホームの柱等にリベットを見つけた。 リベットだけでなく、カラフルなモザイクタイルで壁に駅名が描かれていたりするのも心躍った。 写真下左は、年末の宇宙開発等に関するTV番組で俳優向井理が階段のリベットを撮影していたの…

猫と鶏とキーライムパイ

キーズラインシャトルバスの終点キーウェストは、マイアミともまた全然違うのんびりした雰囲気の所で、お年寄りが多かった。でもホテルの部屋の窓側のドアには、ハリケーンが来た時用の鍵がついていた。また、町を普通にニワトリが歩いていた。鳥類ハンティ…

海の上の一本道 US-1とフロリダキーズ

今回の旅行で最も私が楽しみにしていたものの一つが、海の上の一本道である国道1号線、US-1を通って、マイアミのビスケーン湾から西に続くサンゴ礁の島々(フロリダキーズ)を渡り、キーウェストまで行くことだった。以前に大友康平がUS-1を走って途中のキー…

アール・デコの昼と夜 マイアミ

米国旅行の続き。 ワシントンD.C.からマイアミに飛んだ。 「occupied/ocupado(使用中)」など、国内便の小さな飛行機内では、案内表示に英語とともにスペイン語が記されていた。後日また触れたいが、行く先々で、予想以上にスペイン語を話す人が多くて驚い…

思いがけない気分 ワシントンD.C.2

具体的なことは忘れたが、以前従事していた仕事で、要求の根拠を示すのに米国の類似事例を引き合いに出したことが一度ならずあった。また、逆に、要求が通るかどうかの査定で、海外特に米国ではどうなの、と訊かれたこともあった気がする。いずれの場合も(…

○○が△△する瞬間を初めて見た ワシントンD.C.1

過日、米国に行ってきた。米国本土は初めて。飛行機の席を予約したのが遅く、行きは夫と隣りの席になれなかった。でも、隣席の若々しい高齢の方の、米国永住に関する苦労話を伺ったりして珍しい体験ができた。 思ったよりは寒くなかったワシントンD.C.では朝…

横須賀1 軍港巡りなど

明日8月7日(土)に、海上自衛隊横須賀地方総監部の「ヨコスカサマーフェスタ'10」と米海軍横須賀基地の「ネイビーフレンドシップデー」が開催される横須賀に、過日行ってきた。 店名が横文字の店が多く、店や道で青っぽい迷彩服や水兵服などの米国軍人たち…

晴海の展望台

過日、晴海埠頭の晴海客船ターミナル(1991(平成3)年 設計:竹山実)に行った。 むかーし5階に「May Kiss」というニュートーキョー経営のレストランがあった気がするが、いつのまにか店はなくなっていた。というか5階に入れなくなっている。 6階が展望台に…

城ケ島灯台

過日、城ケ島に行ってきた。その日は雨が降っていて波も高く、「リアル『城ケ島の雨』だー」などと三崎港から対岸の島を眺めていたところ、スコールのような豪雨になってしまった。 少し前まで「城ケ島冷蔵庫」というクリーム色の大きな倉庫がくっきり見えて…

代々木駅の古レール

JR東日本の代々木駅ホームの柱に古いレールが使われているらしいのは以前から知っていたけれども、「レールだったんだよ」という証拠みたいなものは見たことがなかった。やはり古レールではないかと思われる川崎大師前駅の柱には文字&数字らしきものが刻ま…

猫にひかれて

過日、某神社に行き社殿で参拝したあと、唐門を出て境内の稲荷神社に行くところの植え込みに、きつね色のかたまりを発見した。 かたまりはやがてトテトテ歩き出し、稲荷神社の大鳥居の台石に。 「あっら〜、かわいい猫ちゃんね」と顎など撫でて行く中高年女…

夜おすすめです、「No man's land」展

庁舎の移転のため、近々取り壊される予定の在日フランス大使館旧庁舎(南麻布)に、過日、「No man's land」展を見に行った。天気が良くない日だったのでより早く日が落ち、着いたときにはもう真っ暗。けれども、光を使った作品を見るため、この暗さが狙いで…

夏の散歩を振り返る1 万世橋周辺

昨日、今日はひさびさに暖かく過ごしやすい日だった。 冬じゅうこんな日だったらいいのに、と、明らかに夏にロケしたと思われるNHKの「ブラタモリ(本日の副題は『解剖! 日本橋』)」を見ながら思う。 タモリ、建築史の専門家の鈴木博之氏、久保田祐佳アナ…

夏の散歩を振り返る2 第2小柳町橋高架橋

万世橋を「肉の万世」方面つまり南側にわたると、中央線の高架がある。 修理する箇所なのだろうか、赤く塗り分けられているところがあるので、奇しくも緑と赤のクリスマスカラーになっている。遅れた掲載が季節ネタ先取りに……なるわけねーだろ!と寒い自分突…

浴槽みたいだった 

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009」の記事を続けて書く気力がないので、閑話休題ということで、本日8月31日まで公開の、お台場の「機動戦士ガンダム」等身大ガンダム像の話を。まだ脚しかできていない5月から2回も(http://d.hatena.ne.jp/r…

王冠をかぶったような  駒沢給水塔

数か月前に行ったところの話で恐縮だが、暑いので水関係の話題を続ける。 東京都世田谷区弦巻の駒沢給水塔(駒沢給水所配水塔:1924(大正13)年)(写真上)。不鮮明な写真で申し訳ありません。ズームで撮影しているので大きく見えるが、実際は立入禁止の旨が…

跳ねる魚 川崎河港水門2

川側から見て川崎河港水門の左手には味の素の工場があり、近づくと味の素の匂いとは違うけれど化学的な塩みのある匂いがする。 水門のすぐ後ろには、緑のトラスの中を白く太い管が通っていて、上の方に赤い管も見える。化学的な何かが運ばれているのだろうか…

川崎の名産品だったものは  川崎河港水門1

過日、川崎河港水門(かわさきかこうすいもん)に行った。国の登録有形文化財である。 水門脇の案内板によれば、川崎市が工場用地拡大のため立てた運河・港湾計画の一環として1928(昭和3)年に建造されたもの。 敷地内の住宅や工場の建設、戦局悪化などによ…