王冠をかぶったような  駒沢給水塔

数か月前に行ったところの話で恐縮だが、暑いので水関係の話題を続ける。
 
東京都世田谷区弦巻の駒沢給水塔(駒沢給水所配水塔:1924(大正13)年)(写真上)。不鮮明な写真で申し訳ありません。ズームで撮影しているので大きく見えるが、実際は立入禁止の旨が書かれた紙付きの鉄格子の門から給水塔までかなりの距離がある。目にもズーム機能がほしいと思うのは、こういうときだ。頂上の大きめな薄青い球体と、その下で円い塔を取り囲んでいる小さな白っぽい球体が、王冠に取り付けられた相似形の宝石のようでもある。真珠とか。

白っぽい小球体の取り付けられた根元、すなわちコーニス(水平帯)から突き出た平たいピラスター(片蓋柱)の上部が、山型になっているのもいっそう冠っぽい。カクカクした段があるのはアール・デコらしいといえばらしい。その下のエンタブラチュア(中間にある水平帯)のさらに下にはもう一種類ピラスターがあるのだが、それは見えなかった。


木々の隙間から覗くと、橋で繋がれた双子の塔があるのが見える(写真中)。トラスの橋で二つのものが繋がれていること自体に惹かれる上に、どっしりと円く張り出したコンクリートの塔が、遠くから見ると華奢な金属のトラスで繋がれているのがなんとも魅力的だ。


上二枚とは別の門から見たところ。門柱の装飾もアール・デコ風(写真下右端)。