4分

私は車を運転しないので、いつも運転してくれている夫に申し訳ないと思い過日、セルフ式のガソリンスタンドで給油を手伝うことにした。

最初、夫に手本を見せてもらったときは楽勝かな、と思った。

ところがいざ一人でやり始めると、力の加減が意外と難しくすぐに給油が止まってしまう。ちゃんと給油できる状態でノズルのレバーをずっと握っていると手が痛くなったり震えたり。で、持ち直すとまた給油が止まったりちょろちょろとしか注ぎ込まれなかったりする。
ガソリンの臭いもそれなりに吸った。


そのうちどうやっても給油できなくなった。
スタンドの人が飛んできた。
「あ〜これ、消防の関係で4分までって決まってるんですよねぇ〜。なんか揮発して引火すると危ないとかで」と、すまなそうな笑顔。私はもちろん、夫も知らなかったらしい。表示があったのかもしれないが、気付かなかった。

自分の不器用さは百も承知なのだが、手伝うつもりがかえって足を引っ張ってしまい、ちょっと落ち込んだ。どうせならあと33秒!などと思うゆとりもなく帰った。

調べてみると、消防庁危険物規制課長が各都道府県消防主管部長に宛てた「顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所に係る運用について(通知)」(消防危第25号 平成10年3月13日)(http://www.fdma.go.jp/html/data/tuchi1003/100313ki25.html)第5 2に、確かに、「注油時間については4分を標準とすること。」とあった。