夏の散歩を振り返る1 万世橋周辺

昨日、今日はひさびさに暖かく過ごしやすい日だった。
冬じゅうこんな日だったらいいのに、と、明らかに夏にロケしたと思われるNHKの「ブラタモリ(本日の副題は『解剖! 日本橋』)」を見ながら思う。


タモリ、建築史の専門家の鈴木博之氏、久保田祐佳アナが日本橋川を船でわたっている。頭上(というかカメラの上)ぎりぎりのところを白っぽい橋の無数のリベットが行き過ぎ、それから、重要文化財である日本橋(1911(明治44)年竣工)の二連アーチが近づいてくる。苔までくっきりと見える、紫がかった茶色や灰色の石組。ああ、私も下から見てみたい!


ここはローマかというような雄大な白亜の円柱が林立し、黒白の市松模様の床との対比も壮麗な、現役オフィス三井本館(1929(昭和4)年竣工:重要文化財)の中を覗けるのもうれしいし、ほかの回の、銀座の路地を行くとか秋葉原で露店や運河の跡に思いを馳せるとかいうのも良かった。

つまりは散歩番組が好きなんである。古くは「DAISUKI!」(←散歩番組ではないけれど)、今なら「ブラタモリ」、「モヤモヤさまぁ〜ず2」(2がつかないときから)、「タモリ倶楽部」(これも散歩は時々)のように、複数の出演者がだらだら喋ったり街の人と話したりしながら街を歩くのを見ているのは、楽しい。風や匂いまでは感じられないけれど。


自分で歩くのももちろん好きだが、寒いとどうしても家にこもりがちだ。
ということで、今日から複数回にわたり、夏の散歩を振り返る。

まずは秋葉原万世橋(1930(昭和5)年竣工)。神田川に架かっている上路アーチ橋。
       
それまでも明治時代から違う橋があって、改架や改称を経て、1930年に架け替えたらしい。
とんがり帽子をかぶったような親柱は、幾何学的な装飾などあってアール・デコ風だ。何本も爪を長く伸ばしたような橋灯のデザインも面白い(写真上左)。夕飯を食べ終わった今でも、後ろの「肉の万世」は大変魅力的です。


覗き込むと小部屋と小さなアーチが(写真上右)。船でこの下をくぐってみたくなる。


反対側には丸いメダリオンと連続するアーチ模様が心地いい赤煉瓦の高架がある(写真下)。

上には草が生えているけれど、ここに国鉄中央本線万世橋駅のホームの遺構があるはず。そしてこの裏に交通博物館があった。