パイティティナイト2『ウクレレ PAITITI THE MOVIE』&ミニライブ

洞口依子さんのウクレレユニット、パイティティのドキュメンタリー映画ウクレレ PAITITI THE MOVIE』は、洞口依子さんとウクレレとの出会い、パイティティ結成、ライブ、CD発売などこれまでのパイティティの歩みが、昨年8月の渋谷JZBrattでのライブ映像や関係者の皆さんのインタビュー映像などで綴られたものだった。


洞口依子映画祭公式サイト:http://yoriko25ans.com/


昨年8月の渋谷JZBrattでのライブ映像が軸の一つとなっていて、あの晩の興奮が胸のうちで蘇った。
いきなり炎の炸裂があり、数々の特撮を手掛けられた原口智生監督ワールドへ。
洞口さん、石田英範さん、黒沢清さん、関口和之さん、當間早志さんなどの言葉のカットがつながって一つの文章になっているものが多いのが面白かった。それぞれの話を、もっと聞きたいところもあったけれど。


いかにたくさんの方たちが、洞口さんに元気になってほしいと思っておられたか、が伝わってきたし、洞口さんを初めとするパイティティのメンバーが、ウクレレ、と言ってすぐ連想されるものに留まらない、ジャンルを超えた音楽づくりを開拓しつつ、楽しみながら山を登っておられるのがまた、すごくいいな、と思った。


ウクレレの伝道師」ことサザンオールスターズの関口さんが話された、「ウクレレの音の良さはドロップアウトした人の心に沁みやすい(記憶がうろ覚えですみません)」というような話も心に残った。
パイティティ以外のウクレレはあまり聞いたことがないのだが、ウクレレの音には、本当に、人に寄り添うような優しさや、海でも街でも草原でも風に乗っていくような軽さ、明るさがあると思う。

これまで気づかなかったのだが、渋谷の、映画館に行く途中に、ヘチマが生ってるみたいにウクレレがたくさん壁に掛けられて売られている店があることを、このたび初めて知った。今度寄ってみようかしらん。


CDに収められた各曲のプロモーションビデオも、それぞれ違う味わいがあった。
泡風呂に入る洞口さんに重なるようにシャボン玉が無限に出てくる『ウクレレランデヴー』では月のアップも余韻があるし、『パイティティ・エアラインズのテーマ』では、往年の某番組へのオマージュだろうか、おお、そうくるか、という演出もあった。『ピクニック』のメンバーの遊園地での弾けっぷりにも頭が下がるし、ほかの曲でも、乗り物や人形などの小道具が光るもの多数。


上映後のライブでは、映画を見たせいもあるのか、ウクレレ以外の各楽器の音色も一つ一つ際立って聞こえた。
リズミカルな新曲「マイ ネーム イズ ダン」の披露もあり、洞口さんの声かけで立てる観客は立って手拍子をした。そのため多くの人が体全体で曲に乗ることができたと思う。