映画『マイティ・ウクレレ』トークショー

一昨日(12月10日)夜の映画『マイティ・ウクレレ』(トニー・コールマン監督、渋谷のシネマライズ)上映後トークショー(PAITITI(パイティティ)の洞口依子さんと石田英範さん、勝誠二さん)と、
洞口さんと少しお話しできて足がふわふわしたこと、皆既月食のことを今も思い出している。
いい夜だった。


洞口さんは額を全部出して長い髪を高い位置で束ねられ、金の刺繍縁取りがアクセントの黒いジャケットに深い海の色のラメ入り(←スパンコールかも)ミニスカート、黒ストッキングという姿で、格好良く、美しかった。

これまでウクレレを弾かれるのを拝見したときはいわゆるゆるふわ系ファッションが多かった気がするので、新鮮だった。服装が白と青のかわいいウクレレにも合っていらしたし、あとでお話ししたとき近くで拝見すると、もっと綺麗だった。
近くで見る方が美しい、という体験は自分の場合、絵以外ではあまりない。

しかも気さくに温かい言葉をかけていただき、このところちょっと辛いこともあったりして落ち込みがちだった気持ちが一気に上向いて、いい年を迎えよう、と体まで温かくなった気がした。
サインしていただいたDVD(『ウクレレ PAITITI THE MOVIE(パイティティ・ザ・ムービー)』:参照:http://d.hatena.ne.jp/rvt-aa/20091118/p1)は一生の宝物だ。

石田さんはシルクハット(←最初『山高帽』と書いてしまいました。お詫びして訂正いたします)と英国国旗柄のチーズィウクレレがとても似合っていらして、トーク全体のムードメーカーという感じだった。

勝さんは恥ずかしながらお名前も存じなかったけれど、ハートウォーミングで自由な芸術家、という印象。


三人とも、ウクレレの歴史と革命を扱う『マイティ・ウクレレ』で多く取り上げられていたハワイアンなウクレレとはまた異なる音楽を奏でていらっしゃること、
ウクレレについて話題にすると人が笑顔になること、
ウクレレは公園で練習していてもサックスなどと違って追い出されないこと、
愛用楽器の入手法、
ウクレレは誰でも入りやすいが壁にもすぐにぶつかりやすい、けれどもそこを乗り越えて楽しんでほしいこと
など、とても和やかにトークが展開された。


映画『けいおん!』でも女子高生バンドがロンドンへの卒業旅行にギターやベースを持って行っていたが、『マイティ・ウクレレ』の観客も結構ウクレレを持って来られていた。

三つのコードだけで弾けるという「スタンドバイミー」で会場が盛り上がったときは、手拍子をとりながら、ウクレレが弾ければなあと心底思った。
洞口さんの言葉にもあった「好きなことをする」ことの大切さも改めて感じた。


映画自体も、元々ポルトガルの方の楽器だったウクレレを入手したハワイの王様が意図的に国民に広めたことや、津軽三味線のように激しいジェイク・シマブクロさんの演奏、101歳でも矍鑠(かくしゃく)として演奏や話をしていらしたビル・タピアさん(先ごろ亡くなられたそうだ)、ともに女子学生であるユダヤ人とアラブ人が一緒に演奏する姿、ウクレレは打楽器にもなることなど、知らないことが沢山出てきた。

帰り道、「依子さんが〜、依子さんが〜」と呟く、酒も飲んでいないのに足取りがふわふわして挙動不審な妻を引率する夫は、さぞかし大変だったのではないかと思う。ごめんなさい。


まだウクレレは買っていないのだけれど、帰宅後、スマホウクレレアプリとウクレレコードのアプリをダウンロードし、トークショーで使われていたC、Am(Aかも)、G7(これもひょっとしたら違うかも)だけは覚えた。
弾きながら小声で「スタンドバイミー」のメロディーを口ずさんでみた。
本物には劣ると思うけれど、でも、楽しかった。