明治村3 六郷川鉄橋


東京都蒲田と神奈川県川崎の間の六郷川多摩川下流)に架かっていた六郷川鉄橋(ボイル設計、1877(明治10)年建設、国登録有形文化財)もあった。これもリベットだらけ。といっても飾りリベットか私にはわからないものやボルトもずいぶん見られた。六連のうち、一連(約30m)が移築されているという。

鉄橋を、ゆっくり歩いて渡る機会はそうそうない。もっとも、実際の鉄道で鉄橋を歩かねばならないとなったら事態は相当深刻だから、そういうのは避けたいけれど。
歩道とトラス桁の間にかなり隙間があるので、柵越しでも下を見るとちょっと怖かった。



橋のオレンジ色と辺りの木々の新緑とのコントラストがとても美しかった。この季節ならではの恵みかもしれない。
斜材の中にあるダイヤ型の連なり(見えにくいが左写真の右から二番目の斜材など)は、細い部材がゆるやかに曲がっていてたおやかで、近くの斜材の直線的で力強いトラスと交互に存在するのが面白いと思った。
イギリスはリバプールの、ハミルトンズ・ウインザー・アイアンワークス社製作の錬鉄トラス桁(ポニー・ワーレン型)が輸入されているそうだ。


 
銘板もばっちり見られる。
すぐそばに、尾西鉄道蒸気機関車第一号(1897(明治30)年製造)が展示されている。これはアメリカのブルックス社製で、愛知県の弥富―津島、のちに弥富―新一宮を走っていたそうだ。私にとっては添え物感が強かったけれど、橋よりこちらが好きな方もいるのだろう。


郷川鉄橋は1915(大正4)年から1965(昭和40)年までは御殿場線の酒匂川上で、尾西鉄道蒸気機関車第一号は、1925(大正14)年よりのちに新潟県信越線の二本木駅近くの工場専用機として、第二の人生(?)を送ったとのこと。働く場所が変わるのは人間だけじゃないのだな、と改めて思った。