白TシャツとVネック 上野駅1

またもや、溜まっているリベットの紹介です。

JR東日本上野駅(1883(明治16)年開業)の柱のリベット。撮影は今年の1月頃。かつて角川文庫で、アメリカの風景などが写ったきれいな写真の表紙&赤い背表紙がトレードマークの、片岡義男の小説が売られていた。それまでに『トム・ソーヤーの冒険』などを読んでいたにもかかわらず、そこに出てくるアメリカが、具体的には初めて身近に感じられたアメリカで、「アップル・サイダー」とはシュウェップスに似たようなものなのだろうか、などと想像をめぐらせたものだ。

で、このリベットはそれらの小説の一つ、『幸せは白いTシャツ』を思い出させる(あくまでも私には、です)。小説の中身は若い女性のバイク一人旅(舞台は日本)、というのしか覚えていないけれど、タイトルの強烈さや三好礼子(山村礼子時代あり)が青空と雲をバックにバイクに跨る写真の颯爽とした感じは、今でも全く色褪せない。
上野駅も、淡い色合いで人や人を乗せた動物などがたくさん描かれた猪熊弦一郎作の壁画「自由」を見ながら正面改札口をくぐるとさまざまな土地への旅立ちができるようになっていて、使ったことがないホームもまだ結構あるのだった。


 



そのホームの一つ、確か北の方に向かう列車が発着するホームだったと思うのだけれど、こんな柱が(写真左)。上の方が微妙に木の枝のように広がっていて、両側の縦列リベットに挟まれた所がV字に近くなっている。

接近すると、まるでVネックのリベット付き前開きベスト(ボタンは外した状態)を着た胸元のようだ(写真右)。私だけかもしれないが、乳間ネックレスなどなくても視線が流れるように下に誘導されてしまう。