東京大学1 安田講堂

先日、所用で東京大学に行ってきた。
安田講堂は1925(大正14)年竣工の、国の登録有形文化財である。先端が尖った付柱などネオゴシック様式の垂直方向のデザインは以前から目についていたが、今回は左右の対称性や、ダン、ダン、ダン、と中央の塔に向けて外壁が幾何学的に伸び上がっていく、そして実は窓の下辺は中央に向けて下がっていっているリズミカルな感じも気になった。

鳥が羽を広げたようなデザインというと思い出すのは、うす青い、小菅の東京拘置所旧庁舎・旧舎房(旧小菅刑務所)(1930(昭和5)年建築)
(参照:http://www.tokyokenchikushikai.or.jp/tatemonomap/tokyo50/t47/t47.htm
だけれど、この日は、安田講堂も鳥っぽく見えた。

最近建てられた理学部1号館が背後霊のようで、残念。
後ろで、人生の先輩である女性グループが「あっらー。邪魔ねえ」「ほんと、あれさえなければねえ」と言っていた。胸のうちでそうだそうだ、と同調。

高さなど何とかできなかったのだろうか。こういう光景になるとは、関係者は多忙で考えていなかったのかもしれない。あるいは、景観はさほど重視されていなかったのかもしれない。

背後の空も含めて景観だったんだな、と改めて思う。講堂の後ろはスパーンと空が広がっているのだと、当たり前のように思っていた自分が恥ずかしい。



ファサード安田講堂の写真で正面のベージュっぽく張り出したところ)の内側、天井近くで発見。キツネ? ガーゴイル? かわいい。