そんなに

最初に。『風のガーデン』ネタバレがあります。

大河ドラマ篤姫』総集編の放映が終わった。本編とは別物のカットしまくりのものだし録画もしているのだから別に見なくていいのに、心に残ったシーンが出てくるとつい見たりしてしまった。
この『篤姫』も、緒形拳の遺作となった、中井貴一演じる飄々とした医師が癌になり長年交流が途絶えていた北海道の家族(中井の父親が緒形)と和解し最後の時を過ごすフジテレビの『風のガーデン』も、ともに見ごたえがあったが、やたら「家族の良さ」が強調されているのが気になった。

もちろん家族はありがたいし、困難な問題を一緒に乗り越えたり、ほかの人間関係では知りえない家族・親戚ならではの秘密や問題や喜び事を共有しえたりするものだと思うけれど、「家族」がほかの人間関係に比べてもそんなにいいものかどうか、私には未だにわからない。そもそも「家族」のあり方が、まあそれは個別具体的なものでお手本がある類のものではないのだろうがよくわからないうえに、こうありたいと思っても、努力しても得られないものはあるわけだし。

夫にはいろいろ助けられ本当に感謝もしているけれど、なんだか男の子が二人で暮らしているようでもあり、結婚して十数年経っても未だに彼のことは「親友」ではあっても「家族」という気がしないことが多い。また、人様に例えば「ここは家族のような集団なんだからもっとくつろいで」と言われても、実家は非常に緊張した雰囲気のことが多かったので、うれしいな、ありがたいなとは思ってもどう対応していいか困ってしまうのだ。

でも、ほかの人に「ご夫婦には見えません」と言われてちょっとショックを受けるということは、やっぱり家族に見られたい気持ちが自分自身にあるということなんだろうなあ。揺れる年末。暗い話題ですみません。

明るいことも書いておこう。私は、つらかったことや悲しかったことは放っておいてもわりと記憶しているのだが、楽しかったことや面白かったことは、自ら強く何度も思い出したりしない限り、すぐに忘れてしまう。本当にすっぽり記憶から消えてしまうのだ。このダイアリーを書くことで、楽しかったことや面白かったことをあとで何度も読みかえして思い出し、忘れないことができるようになったのが、とてもうれしい。