フェルメール展2 フェルメール以外

フェルメール以外の作品で印象的だったのは、以下のとおり。
・ヘラルト・ハウクヘースト「デルフト新教会の回廊」:明るい教会内部で、コリント式柱の先から傘の花か噴水かというように広がるリブ・ヴォールト天井がど迫力。歪んでいても美しければOK。見上げたときの高さや圧倒感がよく出ていると思った。
・カレル・ファブリティウス「歩哨」:門の前でうつむき足を投げ出して銃に手を置く、疲れて眠っている風な兵士。後ろに怠惰を戒める象徴というアントニウス修道院長と豚の絵が。何か身につまされるとともに、低い門のアーチの向こう側に見える二本の脚が気になる。門も何か変。兵士のそばにいる犬がかわいい。
・ピーテル・デ・ホーホ「食料貯蔵庫の女と子供」:絵そのものより、17世紀半ばのオランダでは離乳食にビールを与えていたという事実が衝撃的。子供は素敵なのんべえさんに成長しそうですね。
・ヤン・フェルコリエ「楽器をもつ優雅な男女」:フェルメールの「リュート調弦する女」で床の右の方に落ちていたヴィオラ・ダ・ガンバをもつ女性と手をつなぎながらヴァージナルの前に座る男性。同絵の発展との指摘もあるそうだ。清潔で幸せそうな感じだが、よく見ると女性の目には憂いや虚ろさがあり、「リュート調弦する女」のような好奇心は見られない。
・エマニュエル・デ・ウィッテ「ヴァージナルを弾く女」:ハンマースホイ展を見に行こうと思った。床への光の落ち具合と、連続する扉の向こうでカーリングのように床を掃いてるメイドさんが素敵。
犬が出てくる絵がけっこうあったのだが(猫がいる絵はほとんどなかった)、この頃のデルフトには犬がたくさんいたのだろうか。