トマト 妻せつ子

八百屋で、炒めてもおいしいことがパッケージに書かれたレタスを見かけた。ずっと前から書かれているのに私が気づいていなかっただけかもしれないが、確かに炒めてもおいしいし、何もないと、種類にもよるが味噌汁の実にしたりもできる重宝な野菜だ。

パッケージに親切な調理法が書いてあるとつい買ってしまったりもするが、これまで野菜のパッケージで一番印象的だったのは、「トマト 妻せつ子」。熊本の農家の方がトマトに奥様の名前をつけたらしいが、透明なビニール袋に、白くて手書きっぽい、勢いがあってかつ折り目正しい筆文字で書かれている。しかも、「妻」の字が中央に配置されている上に、ばーんと大きいのである。実態は知りようもないが、生産者の奥様やトマトへの愛情を想像してしまう。

引っ越したりしたので最近みてはいないのだが、ジューシーでおいしかった記憶がある。ネーミングだけで通常の3倍おいしかった、というのでもなさそうだ。