モディリアーニ展
先日、友人と国立新美術館の「モディリアーニ展」を見た。
モディリアーニは1900年代〜1910年代後半に「カリアティッド」という、梁を支える女性の像を数多く描いており、カリアティッドやアフリカやアジアの美術を通じ人間の造形の本質を追求したらしい。その結果が、アーモンド形で単色に塗られた目や、長い首のようだ。
このほかにも、以下のことが印象に残った。
・彼は彫刻家を目指していたが、売れない彫刻でなく絵を制作するように画商に言われて転向した。
・目は単色で塗りつぶされていても、頬、目の上、首などの赤みはグラデーション豊かに緻密に塗りこまれている。
・わざと塗り残したところがぼうっと水色のオーラのように人物像を囲んでいるものがある。
・親しい人物については、淡い色彩、軽いタッチで描かれていたらしい。
・彼は映画版のジェラール・フィリップほどでないにしてもそこそこ美形(主観的感想です)。
・解説に主観的な文があり、解説としてはどうなのかと思いつつも面白かった。『新明解国語辞典』のようだと友人と話した。解説者のように「帽子の広いつば」を「聖母の頭上の輪光」と捉えることはできなかったが、モディリアーニの作品を愛する気持ちは見えた。
酒、恋、苦悩の破滅的イメージが強かったモディリアーニだが、回顧展を見た限りでは、冷静に粘り強く描くことについて試行錯誤し続けた人なのではないかと思った。
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