『ラスト・フレンズ』最終回

ドラマ『ラスト・フレンズ』最終回を見た。
(ネタバレがあります)

デートDV性同一性障害、幼い頃の性的被害、不倫、と重いテーマを真摯に取り上げている上に、ジャニーズの錦戸亮の背筋が凍るようなDV演技、長澤まさみの殴られ演技、上野樹里の迫真の性同一性障害演技、瑛太水川あさみや『交響詩篇エウレカセブン』でドミニク役だった山崎樹範の熱演、通底音としての友情、と見所がたくさんあって、ついに全回見てしまった。

美知留は出産し、子供、瑠可、タケルとまたシェアハウスで暮らす、とおさまるところにおさまったな、という感じだけれど、バイクとトラックの衝突事故とかむずかしい出産とか、最終回でもこれだけはらはら要素を盛り込まなきゃいけないのかと思うと、脚本の浅野妙子さん本当にお疲れ様、という感じだ。

「毎回見させられてしまった」連れは、「何度も何度も同じ騙され方して、美知留ちゃんて、バカな子なの?」、「しかし美知留ちゃんて本当に、他人の善意のおかげで世の中をわたってる子だよね〜」、「この子恋愛の変わり身早いよねえ」、「どうして美知留ちゃんが宗佑を好きになるのか、最後まで見てもわかんないんだけど」としきりに言っていた。私も同感だ。もっさりして見ていてイラッとするキャラだったから仕方ないのかもしれないが。

オープニングのタイトルバックに出てこず、また主要人物はみんな「岸(本)」「(及)川」「岸と川の間(藍田)」「滝川(のような愛?)」「水島」と水辺関係の名前なのに一人「小倉」だったにもかかわらず、山崎樹範は春日部や東武動物公園までネタにして、健闘していたと思う。

ドラマ自体も印象的だったが、私は、何回目かの放送のあと実家に行ったときに、やはりこのドラマを見ていた母親に「(父親は宗佑と)おんなじだったのに、何で逃げなかったんだろう」と言われて答えに詰まってしまったことが、一番心に残っている。「恐怖で心が麻痺してしまったから」、「実は好きだったから」、「実はマゾだったから」、「共依存だったから」、「かわいい子供がいたから(ウフ)」、「かわいくないけど子供を捨て置けなかったから」、「お金がなかったから」といろいろな答えが頭には浮かんだけれど、口にすることができなかった。しばらくして本人が無知だったのよねえ、ととにもかくにも自分で答えを出していたので、少しだけほっとした。少しだけ。